その廃材が欲しいんです!

廃材家具

車を走らせているとパレットが山積みになっている水産加工工場を通り過ぎた。

経年劣化したパレットはフォークリフトで荷物を乗せて運ぶには危険になる為、使えなくなった物は敷地内に放置されている事が多いようだ。

パレットとしては使えなくても家具として使うととても良い風合いになる。

 

欲しい!

 

早速工場の事務所をノックする。

強面の社長さんが出て来るなり

『何!!』と完全に怒っている。

 

敷地内を勝手にウロウロしていた私を不審に思ったようだ。

 

怖い。

 

足がすくむ。

 

しかし私はどこかでこの感覚に似た体験をしている事に気がついた。

こ、これは、、、サーフィンと同じだ。

自分の実力以上にサイズが上がった波。

大きなうねりが視線の先に見える。

もう後戻り出来ない

怖さで中途半端なパドルをすれば波に飲み込まれる。

 

前に出るしかない!

 

社長さんの目をじっと見据えながら腹に力を入れる。

 

『この素敵な木材を私に譲って下さい!!』

 

『へっ??』

予想もしなかった一言で驚きの表情に変わった社長さん。

 

更にテンションを上げ『私は大網白里で家具屋をしている者です。この雰囲気の良い感じになったパレットをどうか譲ってください!!!』最後の方はシャウトしてたと思う。

 

不審者では無いと分かってもらえたようだが困惑気味に『こんな物でいいのか』と言う社長さんに『この木材がいいんです!』と答える。

 

『好きにしろ』

 

『ありがとうございます!』

 

なんとかテイクオフ成功した。

 

さっそく夕焼け1号(軽自動車)にパレットを積み込む。

あれ?

3〜4枚しか詰めない。

 

10枚分くらいあるのにもったいないな。

 

もう一度事務所のドアを開ける。

『スミマセン!!ここでパレットを解体したいのでホームセンターでバールとハンマーを買って来てもよいでしょうか?』

 

沈黙が流れる。

 

ヤバい。ライン取りに失敗したか!?

 

事務所の置くに消える社長。

 

掘れた波に振り落とされそうになる。

 

奥から戻って来た社長の手にはバールとハンマーが!!!

 

『使え』

 

『ありがとうございます!!!』

 

なんとか波に乗り続ける事が出来た。

 

貸していただいた道具でパレットを解体し車に積み込む。

荷台いっぱいになった所で終了。

 

近くにコンビニがあったので感謝の気持ちを込めてプレミアムビールを1パック購入。

 

『何か悪いな』と照れ隠しする社長。

 

『こちらこそありがとうございました』とお礼を言わせて頂いた。

 

良い波をアウトからインサイドまで乗り切った充実感。

今日一番の波でした。