umikagu VS お蕎麦屋さん

材料に手を加え試行錯誤し1つの物を作るという観点から私は『料理を作る人』をとても尊敬している。

 

お酒を飲んだある日の終電間近の駅のホーム。

 

少し小腹が減ったな。

なんで飲んだ後って麺類が食べたくなるのだろう。

そして翌朝、ぽっこり出た腹をみて猛烈な後悔に襲われるのだろう。

それを繰り返すのが人間なのかなと哲学的な思いを巡らせる私の視線は駅の立ち食い蕎麦屋を捉えていた。

 

のれんをくぐると清潔に整えた白髪混りの頭にねじった手ぬぐいを粋に巻いた男性が落ち着いた声で『いらっしゃい』と迎えてくれる。

熟練した料理人が醸し出す雰囲気を私は嗅ぎ取った。

 

おそらく若い頃は日本料理の修業をして何らかの事情で駅の蕎麦屋さんで腕を振るっているのだろうと容易に想像できる。

 

好物のカレーうどんを注文すると『すみません。うどんが無くなってしまってカレー蕎麦なら出来ます』と職人の無骨だけど決して突き放してはいない声が返ってきた。

 

同じ作り手どうし多くを語らずとも分かるやりとり。

だがこのまま注文するのでは芸がない。

 

私は挑戦状を叩きつけた。

『カレー蕎麦を食べた事がないのですがおいしいですかね?』

 

『普通です』と相変わらず落ち着いたトーンで返してくる。

 

なんだよ『普通』って!!!

 

 

注文してみたら蕎麦は伸びていてコシはないわカレーも特徴ないわ本当に普通の味だよ!

ただの無口の従業員さんじゃん!!

全部私の妄想だったのね。。。

 

普通味のカレー蕎麦食べて帰路につきました。