熱闘!実技試験 3日目 前編

試験3日目 最終日

 

最後の課題『台持ち継ぎ』

この継ぎ手に苦い思い出が込み上げる。

 

実習が進みソコソコ作れているんじゃないの!と思い違いをしていた頃にヤツがやってきた。

そいつの名前は『台持ち継ぎ』

 

得意な『追掛け大栓継ぎ』に似ているので余裕じゃんと加工を進め組んでみると全く2つのパーツが合わない。

微調整と修正を繰り返してみても結果は同じだった。

まぁー初めてだし2回目で出来るでしょ。

 

朝練や実習のちょっとした空き時間を使い再び組み上げる。

隙間だらけで全く組み上がらない。

 

ナゼ????

 

まぁー次こそは墨つけと加工を慎重にやれば大丈夫でしょ!!

3回目も結果は同じ。

 

ダメじゃん!!!

『台持ち継ぎ』キライ!!!

もうこの継ぎ手は作らないと決めた。

 

出来ない事は投げ出すオジさん。

 

何日か経って初心を思い出した。

出来ない事を出来る様になる為にこの建築科に入学したのでは?

 

もう一度やってみるか。

 

午前7時30分、授業が始まる9時までは私の朝練時間だ。

昨日、組む手前まで作り上げた4個目の『台持ち継ぎ』

 

墨つけや加工をいつも以上に丁寧に作り上げた2つのパーツ。

これで組めないはずは無い。

 

当て木を添えてげんのうを振り上げる。

 

私以外に誰もいない実習棟に打撃音がこだまする。

フィニッシュの一撃を叩き込む。

 

パーツを手に取り加工面を見る。

 

全然。繋がっていない。

失敗した。

 

この継ぎ手は一生組めないと本気で思った。

 

同じ朝練組のクラスメートが続々と登校してくる。

 

そこにいつも物覚えの悪い私に優しく手順を教えてくれる『ホリちゃん』(18歳)が元気良く挨拶しにきてくれた。

 

すがる思いで『台持ち継ぎ』が組めない事を説明してパーツを見てもらう。

丁寧な言葉使いで『もしかしたらまだこの部分が出っ張っているのでもう少し削れば組めるんじゃないですかね』

 

出来ない自分に腹が立ち頭に血がのぼっている私には神の声に聞こえた。

 

『ちょっと実習服に着替えてきますね』

 

早速、アドバイスを実践してみる。

 

実習服に着替えたホリちゃんに思いっきりハグした。

 

『組めたよ!!!』

 

あれだけ苦戦した継ぎ手が嘘の様にビッタリ組み合わさった。

 

試しに失敗した3個目も修正してみるとこれも組み合わさる。

やったぜ!諦めないで作り続けた甲斐があった。そしてホリちゃんありがとう!!

 

後日、試験の継ぎ手が発表されヤツ(台持ち継ぎ)が帰ってきた。

 

続く。