最終試験編 part5

教官の合図でいよいよ技術試験が開始された。

1年建築科で学んだ事を全て出し切る。

 

まずは前日のうちに墨付けした試験の材料をカンナで4面削る。

先ほど賢者から受け取ったカンナの切れ味もよい。カンナクズは向こう側が透けて見えるほどだ。

 

4面綺麗になった材料に再び火打土台の墨付けをする。

『あれっ!!どうやるんだっけ??』

 

昨日の夜に完璧に加工線のイメージは出来ていたはず。

緊張して覚えていた事が飛んでしまった。

 

ショック療法で自分の頭を殴ろうとしたが本当に10点減点されそうなのでなんとか堪えた。

 

深呼吸してプリントを見直す。

なんとか墨付けを終わらし加工に入る。

 

ノミを持ち大げんのうを振り上げ打撃する。

エクスカリバー(ノミ)の切れ味も申し分ない。

徐々に掘れて形が出来ていくホゾ穴。

 

前日は興奮して先ほどまでは緊張していたのに加工を始めた途端に心がフラットになった。

普段なら周りのスピードの速さに焦ったりしていたのに、この時は何も考えずただ無心で手を動かしていた。

 

いつの間にか悟りを開いていたようだ。

試験が終わったら出家しよう。

 

ロン毛のお坊さんウミカグ

 

この試験は制限時間の4時間半以内に作り上げれば時間での減点はない。

ただ組むだけではなく重要なチェックポイントはミリ単位の隙間や誤差で減点されるので一つ一つの加工を制限時間ギリギリまでやった方が良い。

 

教官の合図で午前中は終了。

あと残り2時間半だ。

中間試験の時は緊張とプレッシャーで味のしない昼飯を食べたのを覚えているが、今食べているカレーパンは確かにカレーとパンの味がしているしクラスメートたちと馬鹿話をしながら談笑していた。

 

そして午後の試験が開始された。

相変わらず興奮も緊張もない。

 

なんか変な感じ。。。

 

きっと今の私の顔は仏様のような穏やかな表情にちがいない。

 

ロン毛の仏様ウミカグ

 

正直にいって墨付けも加工も私は早い方ではない。

でも何故だろう?

制限時間を1時間残して組めてしまった。

出来栄えは練習以上でもなく以下でもなかった。

クラスの中では2番目に早い出来上がり。

 

本当はまだ時間を使って調整をした方が良いのだけれども何故か気負いもなく普段通りの出来だったので良しとした。

他のクラスメートは真剣な表情で加工、調整をしているようだ。

 

前回の中間試験と同様に出来上がった順に並べていく。

そしてがんばってくれたノミを静かに研ぐ。

 

徐々に完成した課題が並び出す。

急に不安が押しよせてきて他の人たちの出来きが気になりだした。

 

忘れていた!!

私の目的は王族を倒すことだった!!

 

悟りの時間終了。。。

 

平民ウミカグ復活!!!