ウミカグ vs アイコ

千葉の海は冬型の低気圧が太平洋に近づき前日の小波からいきなりサイズアップする予報になっていた。

am5:00アラーム前に目がさめてしまった。

久しぶりの大波に気持ちが高ぶっているようだ。

 

家でウエットスーツに着替え車に乗り込む。

目指すはロングライディングが期待できる片貝漁港だ。

 

ポイントに着き海を見る。

手前は波がジャンクに崩れて真っ白。

風も強めだけどはるか沖で綺麗に波が割れている。

 

これが片貝漁港ポイントのスーパーアウトブレイクだ。

 

頭オーバーの波にアウトから乗れば岸辺まで200mmくらい乗れちゃうやつ。

 

まだ早い時間なので誰も入っていない。

 

灰色の空と海が少し恐怖心を煽る。

 

駐車場で会った先輩の着替えを待って一緒に入水すればよかったと後悔したけどもう身体は海に浸かってるのでパドルして沖に向かう。

 

やっとの思いで沖に出ると頭オーバーの波が綺麗にブレイクしていた。

 

しかも無人。

 

普段なら絶叫するシチュエーションだが天気の悪さと人が居なさすぎてなんだか怖い。

恐怖心が強く出てしまうと当然、波へのアプローチも引け腰になってしまう。

簡単に言うとビビってしまっている。

 

なんとか崩れた波を捕まえて板に立つ。

見た目が綺麗な波だけどめちゃくちゃジャジャ馬な波。

板がバタバタして膝で衝撃を吸収しないと弾かれてしまう。

 

でもパワーがあるので気がつけばインサイドまでロングライド出来た。

 

また10分くらいかけてひたすら腕を動かし沖にパドルして向かう。

まるでホフク前進している感覚だ。

 

ブレイクポイントにたどり着き良い波が来たので恐怖に負けないように必死に腕を動かし大きな波に乗る。

 

暴れる板を抑えるように乗り沖と岸の中間くらいで波が終わってしまった。

 

板から降りると白波が押し寄せて来た。

 

1本、2本と押し戻されるようにやり過ごすと後ろにテトラボットが近づいている。

 

ヤバイ!!

 

さらに白波が迫り押し流されていく。

 

もう手が届きそうな距離にテトラポットが!!

 

完全に波とテトラに挟まれた状態。

 

なぜかaikoの『ボーイフレンド』が頭の中で鳴り響く。

 

『あぁ〜テトラポット登って〜』

 

これは大怪我すると本気で思った。

 

次の白波が迫り体とサーフボードを押し流す。

 

衝撃に備えて頭を手で抱え胎児のポーズをする。

 

ゴン!

という衝撃と共に硬いコンクリートに波ごと打ち付けられた。

 

おそらく大切にしていた板もテトラに打ち付けられた。

 

怖い。

 

この状況が何回も続いたら確実に溺れる。

 

恐怖心で体が固まる。

 

でも次の波が来る前に少しでも沖に出ないと。

 

恐怖を気合いで封じ込め腕を動かし何とかテトラ地獄から脱出できた。

 

何とか沖に出て板を確認するとノーズとボトムが壊れてしまっていた。

 

ゴメン。そしてありがとうね。

 

家に戻り熱いシャワーを浴びると急に体が震えだした。

 

とにかく無事に帰って来れてよかったと感じる日でした。