まさかの移転!新店舗までの道のり


やっと金谷での生活も落ち着いて来た2014年の2月頃。kanaya baseが建物の老朽化の為2014年12月末日で閉館する事を聞き頭の中が真っ白になった。
金谷に来る時に苦労した物件探しの悪夢がよみがえる。
その時の私のやられっぷりは2013.8.19に書いた『どうして金谷に来たの?』を見て下さい。
とりあえず海沿いで物件探しをしよう!
金谷とその内房近辺、あと外房の雰囲気の良さそうな場所で
素敵な物件があったら大家さんを見つけて直接交渉作戦を実行。
休日に鴨川にサーフィンに行った帰り、信号待ちでふと外を見るとそこには日本家屋の味のある納屋があったすぐに車をUターンさせ近づいて見るとかなり良い感じの建物だった。車を駐車させてもらい近くにいた人に
『この素敵な建物の大家さんをご存知ないでしょうか』
と訪ねてみると『私の両親の持ち物ですが…』と困惑気味。
本気モードにスイッチを入れ『私、金谷で家具屋をしています永澤と申します』
と自己紹介から物件を探している事を説明してなんとか同じ敷地内に住むご両親の家を案内してもらい更にに困惑気味のお母様を紹介してもらう。
そこでも本気モードで自分の状況を説明してなんとかこの素敵な納屋を貸して頂けないでしょうか!?とお願いしてみる。
旦那さんが不在なので今は結論は出せないけど、とりあえず中を見てみますか?と言って頂いて納屋の中を拝見。
中も相当痛んでいたけど手を入れればおしゃれで雰囲気のあるお店に出来ると感じた。ワクワクメーターが心の中でレットゾーンを振り切った!とりあえず自分を知ってもらう事から始めようと思い週1回くらいのペースで通った。旦那さんは仕事をしているので平日はなかなか会えなかったけど奥さんとは少し仲良くなれた。
『こんな古い納屋を借りたいなんて人がいるんだねー』と奥さんが言うと手を入れれば必ず素敵な建物になると力説した。
旦那さんにも自分を知ってもらいたかったので電話をして一度会っていただけないか?と聞いてみると完全拒絶モード。
最終的には何を言っても『けっこうです』しか言わなくなってしまった。
あまり家賃は出せないけどまじめに家具をそこの場所で作りたかっただけなのに…
物件は貸してもらえなかった。
でもまだ移転まで10ヶ月もあると自分を奮い立たせ更に物件を探しを再び続行。
南房総で出会った友人や仲間にも相談して良い物件がありそうなら連絡をもらえる事になった。
内房でも素敵な物件があり大家さんに交渉するも空き家だけど中に荷物が入っていて
貸せないと断られる日々が続きました。
『なんだよ荷物って!』とその時は思ったけど実際、家1軒分の荷物を新たに別の場所に移動させるのは大家さんにしてみれば難しい事なんだよなと今は感じてます。
嬉しかったのは一度だめでも金谷や内房の色々な方がそこの大家さん知ってるから俺から話してみるよと言ってくれた事でした。
以前umikaguに来て頂いた内房に住むお客さんからの電話が鳴った。
『まだ物件探している?』
全力で『ハイ!探してます!!!』と応えた。
そのお客さんはお隣の鋸南市に住んでいて来店時に移転先を探していると相談させてもらっていた。
umikaguの状況を周りに人達に話して物件を探してきてくれた!感謝!!
外からだけど物件をみさせてもらった。大通りに面していて建物の広さもバッチリ。
大家さんも貸す気があるみたいだから気に入ったのなら話しておくよと言ってもらい
やっと新店舗が決まりそうな手応え。
翌日お客さんから電話があり「息子さんが反対しているので貸せない』との事。がっかりはしたけど本当に申し訳なさそうに話すお客さんに私の為にこんなに動いてもらえた事の方が嬉しかった。
そのお客さんとは今もちょくちょくお店に顔をだしてくれてサーフィンの話をしたりする年の少し離れた友人になれた。
気を取り直して物件探しを続行!
色々な人に物件を探していると話していたので空き家情報がある度に大家さんを訪ね本気で話し断られる日々が続いた。
資本がある社長さんからは『お前がやっているのはただの趣味だと』言われ1ヶ月ぐらい悔しくて眠れなかった。
ロードサイドにこだわらないで山の中で家具を作った方が良いと色々な人に言われた。
モヤモヤした日々が続いた。
移転まで残り半年を切ったある日、こちらに来ていろいろお世話になっている車屋さんから
物件探しているならうちの実家見て見てみるか?と話があった。
『ハイ!お願いします!!!』と全力で応えた。
その物件は金谷の隣町で国道沿いのオーシャンビュー。
ただ木々が覆いかぶさって肝心の建物がまったく見えないのは気のせいだろうか?
何故か風の谷のナウシカの1シーンが頭に浮かぶ。
『腐海に飲み込まれたまた村が一つ死んだ。行こう。ここもじき腐海に沈む。』
ユパ様行ないで!!と私の心の声が…
建物は見えないけど柱と梁が腐ってなければ必ず生き返らせる!と変な自信。
でも大家さんは何故か売り物件として話している。。。
まだumikaguは開業にかかった費用をやっと回収したくらい。正直に今の経済状況と賃貸物件を探している事を伝えると家族に一度相談して見てくれる事に。
ワクワクメーターが心の中でレットゾーンを振り切ったアゲイン!!
家族にも了承をもらって頂いて再度物件を拝見させて頂く事になった。前回見せてもらった時は完全に自然の力に負けていた建物も玄関付近の木々が刈り取られ入り口が顔を出している。
大家さんも本気になって向かい入れてくれている。
こちらも本気モードにスイッチ。
中に入ってみると屋根が腐り落ちて家の中から青空がコンニチワ。
でもここでやりたい!!
熱い思いを伝えると大家さんも納得してくれた。
ここがumikagu新天地だ!
しかし私はこの素敵な大家さんに対して大きな失敗してしまった。信頼関係だけで移転をするのは不安で契約書を作らさせて下さいと申し出ると翌日『この話はなかった事にしよう』と電話が…
しばらく放心状態。
大家さんにしてみれば信頼で安い賃貸料で貸して下さるというのに契約書という私の無粋な行為に腹を立てられたようだ。
私は大バカものです。
この事で1ヶ月くらい物件を探す気にならずにただ時間が過ぎて行くばかり。やっとショックから立ち直り、もう時間もあまりない事から南房総の不動産屋を
『良い物件が出て来たら連絡を下さい』と名刺を置いてまわった。ただ売り物件は多いけど賃貸物件はほぼ無かった。
この頃の私の店舗探しの条件は
1.お店と工房が一緒に出来る
2.更に住居もある。
3.国道沿い
4.海が近い
5.家賃が予算以内
なかなかこの条件の物件が不動産屋さんにお願いしても無かった。家賃が一番のネックだったんだけどね。
ある日サーファーの友人と電話で話していると『海の近くにセカンドハウスが欲しくて不動産屋のサイト良く見てたんだよね〜。けっこういろいろな物件が載ってたよ。』
『ん!マジで!!それどこの不動産屋?』
そこは九十九里方面の物件を沢山持っている不動産屋さんでした。九十九里か〜。南房総も良いけど九十九里もありかな!?
賃貸物件は南房総と同じでほとんど無かったけど売り物件なら海の近くで結構ある。ダメもとで気になった物件を賃貸条件で貸してもらえないか電話をしてみた。気合いを入れて電話の向こうの担当者さんに店舗兼作業場を探している事を伝え大家さんに交渉して賃貸で貸してくれないか頼んでみた。返ってきた応えはやはり賃貸では貸せないとの事。
『他の物件でホームページに乗せてない良い賃貸物件がありますよ!
とりあえず見るだけでもどうでしょうか?』と言う担当者さん。
ただ元サーフショップだった店舗なので住居も兼用出来るは分からないとの事。『見るだけならと』とりあえずアポイントを取った。
店舗の住所を電話で教えてもらったので検索してみる。
ヤバい!かっこいい!!
この物件でumikaguが出来たら!と妄想する。でもこの店舗を借りて更に別の場所に住居を借りるのは完全に予算オーバーだよね。当日、実際に物件の外観を見るとやっぱり良い建物。裏手には徒歩1分で見渡すかぎりの砂浜と海。
でも予算が…
中を見せてもらう。
店舗と工房が出来るレイアウト!
トイレもある。
でもでも予算が…
奥に行くと控え室のような6〜8畳くらいの部屋がある。
あれ!?
住めそうだな?
そして何故かシャワールームまである!!!!
住めんじゃん!!!!
店舗兼工房、そして住居スペースもある。
国道沿いで裏手には海。
ここがumikaguの新天地だ!!
店舗探しを通じて多くの人達に支えてもらい励まされ
そして助けられました。
本当にありがとうございます。
大好きな金谷の仲間達とumikaguを通じて出会った沢山の友人に感謝をこめて。